2011年10月8日

代表質問全文

平成23年9月市会定例会 代表質問

 私は北区選出の片桐直哉でございます。民主都みらい京都市会議員団を代表いたしまして、鈴木マサホ議員、山岸隆行議員に引き続き、市政一般について質問をさせていただきます。4月10日に行われました市会議員選挙において、多くのみなさまのご信託をいただき、当選をさせていただきました。すべての京都市民の代表として、本日、初めてこの京都市会本会議での代表質問に臨ませていただきます。
 これからの京都のかたちがどうあるべきか、未来の京都に対しての夢と、その実現のための具体的な課題を持って、この市会の場で議論を深めさせていただきたいと思っております。市長、ならびに理事者の皆様には、しっかりと御答弁賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 それではまずはじめに、門川市長が就任以来進めてこられた、市民と行政が共に汗する「共汗」の取組の成果と今後の課題について、質問をさせていただきます。
 これまでの門川市政において最も重要視されてきたキーワードは、市民と行政がともに汗する「共汗」という言葉であったと私は思います。
 昨年末に策定された「はばたけ未来へ!みやこプラン」においても、都市経営の理念として「生活者を基点に参加と協働で地域主権時代を切り拓く」という考え方が謳われております。
 これまでに、のべ9万人にのぼる共汗サポーターが様々な市政の現場で、「行動する市民」として活躍してきました。それら多くの行動の成果をもとに、本年3月には第二期の京都市市民参加推進計画がまとめられました。今後より一層「参加と協働」を深め、京都の新しいまちのかたちを作っていくべき時期にきています。
 これまでの市民参加といえば、その役割は市民が課題を発見し、行政に伝え、行政が解決をしていくことでした。しかし、それでは市民の要求はどんどん膨らんでいき、行政の仕事は肥大化するばかりです。
 同時に、市民が行政に要求するばかりでは、市民の力そのものが弱くなっていきます。行政に協力する『参加』ではなく、市民自身が問題意識を持ち、自治の主体となることが重要なのであります。
 基本計画にもあるように、市民が自ら公的な役割を担っていく時代を、我々京都市民は目指そうとしています。これからの行政が果たすべき役割は、自分たちで全てをやっていくことではなく、市民が力をつけ、公的活動を担えるような仕組みを作っていくこと、担い手となる人たちを育てていくことであります。これらの課題は、決して市民参加、協働という分野のみの限られた問題ではなく、京都市全体、行政全体の課題としてとらえ、取組まねばなりません。そういった意識から私は、初めての代表質問でこの問題を取り上げました。
 私自身、共汗の取組の代表例である京都市未来まちづくり100人委員会で、第2期の1年間一緒に活動させていただきました。年配の方や学生、長年地域に暮らしてきた方やつい最近京都に来られた方など、問題意識や解決方法も、それぞれ違う市民の方々と一から議論し、自分たちでできるアクションを作り上げていきました。難しさもありましたが、その先に自分たちの手で京都を良くしていける、その可能性を強く感じました。
 100人委員会をはじめとして、これまでの共汗の取組の成果は、まず一つには、京都をよくしたい、行動したいという市民がつながったことであると思っております。こうした取組がなければ出会わなかった人が出会い、一緒に京都の未来を考え行動しようという動きが生まれました。2つ目として、市民が要望して行政にやってもらうということではなく、自分たちで行動するという考え方が、参加した市民に生まれたこと。そして3つ目には、共汗サポーターという制度があったことで、これまで公的活動へ一歩を踏み出せなかった市民の方々が、参加し協働する、きっかけづくりになったことであります。
 しかし、私が先ほど申し上げたような、市民が自分たちで公的な役割を担っていく時代を築いていくためには、まだまだ課題を克服し、進化させていかなければならないところがたくさんあります。
 まず、行動の広がりです。共汗サポーターが、その責任感や義務感だけで、一人一人で行動をしていても広がりは生まれません。行政に協力する共汗サポーターから、市民主体の自分たちの活動として、もっと新たな市民を巻き込んでいく、そういう広がりをつくっていかねばなりません。
 2つ目の課題は、市民主体の活動が、持続的に質の高いレベルを維持できるかということであります。市民と行政で、どのように情報を共有しあうのか、行政による助成のあり方など、活動を支えていく仕組みづくりをどのように行うのか、民と民の間での活動支援の仕組み作りに、行政がどこまで関わっていくのか。全庁的に検討されなければならないと思っております。
 今年6月に国会で成立した改正NPO法により、これまで京都府が担っていたNPO法人の認証業務は、京都市内のNPOについては来年度から京都市に移管されることになりました。また、寄付の優遇を受けられるNPOについてもその基準が大きく緩和されたことによって、NPO法人の財政運営上の課題が解消され、活動がさらに活発化することが期待されています。この機をとらえ、京都市がいままで以上に市民活動団体と向き合う必要があると思います。
 3つ目の課題は、共汗・市民協働の取組で生まれた人のつながりや、参加のきっかけを得た市民に、学区や町内会などの住民組織の中でどのように力を発揮していただくかという問題です。市民の生活スタイルや行動範囲が多様化し、住民組織だけでなく、NPOや企業、大学など多くの主体が関わる新しい地域コミュニティの姿を構築していくということは、全市的な課題であります。担い手の発掘と、持続的な住民活動をつくっていくために、共汗の取組で得られた参加と協働を生かしていっていただきたい。
 そのためには、今まで狭い範囲で閉じてしまっていた住民組織の殻を破り、地域に暮らす人と、志や専門性を持って活動する人同士をつないでコーディネートしていく存在が必要です。
 そこでおうかがいいたします。協働の取組に新たな市民を巻き込み、行動の広がりをつくっていくために、参加意欲の高い人材の発掘や、他の市民に活動が伝わる仕組みをどのようにつくっていかれるのか。活動のきっかけを得た市民が、今後さらに参加と活動を続けていくために、行政としてどのように関わっていこうとされるのか。共汗・市民協働の取組で生まれた人のつながりや、参加のきっかけを得た市民を、学区や町内会などの住民組織と、どのようにつなげ、地域コミュニティの活性化を目指していかれるのか。お考えをお聞かせください。また、今後、共汗・協働の取組をより行政区など小さな範囲まで深めていくにあたっては、行政区や学区の枠にとらわれず、共通の目的を持って人が集まり、活動に広がりが生まれることとの両立をしっかりはかっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 続いて、京都をとりまく山の環境の保全と、森林資源のエネルギー活用について質問いたします。京都は、北山・東山・西山の山々に囲まれ、そこから流れ出す水の恵みに溢れた、まさに「山紫水明」という言葉の似合う美しいまちであります。
 しかし、いまその京都の山々の美しさ豊かさは大変な危機に瀕しています。かつては山の木を切って家を建て、炭や薪として使い、そうした人の手が入ることによって、山の環境は守られていました。京都の伝統的な祭りや食文化もまた京都の山々の恵みによって支えられてきたのです。
 しかし、今では京都の街のくらしと、京都の山の恵みとのつながりが切り離されてしまい、人の手が入らなくなってしまったことによって、京都をとりまく山々の荒廃が広がっています。間伐などもされないまま、細い木ばかりが並ぶ放置林。東山で広がるナラ枯れや、増えすぎた鹿などの動物による食害。豊かな自然が姿を消しつつあるのが現状です。
 私たち市民の暮らしと、京都の山々の恵みとを再び結びつけ、京都の美しい山を復活させ、守り伝えていかなければなりません。
 山を守っていくために必要な施策は多岐にわたりますし、森林資源の利用促進についてもいくつもの形がありますが、今回は特に、木質バイオマスのエネルギー活用について質問させていただきます。
 今年、東日本大震災そして福島第一原発の事故があり、全国的な電力不足に見舞われました。私たちの身の回りにある資源にもっと目を向けよう、再生可能エネルギーをもっと利用しようという大きな流れができています。天候に左右される風力や太陽光と違い、バイオマスは需要にあわせて使うことができるほぼ唯一の自然エネルギーであります。間伐材など利用の進まない森林資源を、需要の大きいエネルギー源としてもっと利用することによって、産業としての林業を底上げできれば、山間地での雇用創出、地域活性化にもつながります。資源の活用と京都の山の環境を守る。この2つをつなげていくことは、まさに「環境モデル都市」にふさわしい京都の姿だと私は思うのであります。
 これまでも京都市においては、「木の文化を大切にするまち・京都」市民会議や、昨年まとめられた農林行政基本方針の中で、市内産木材の利用拡大や、木質ペレットの普及などの政策が打ち出され、実行されてきました。しかし、まだまだ市民が京都の山の恵みを暮しに使うということが、十分に広まり定着しているとは言えない現状です。特に、森林資源のエネルギー利用が、一般の市民にとって身近なものには、まだなっていません。
 一人ひとりの市民や企業が、最初から莫大な投資をして森林資源をエネルギー活用するというのは、なかなかできるものではありません。こうした初期投資に大きなコストのかかる取組こそ、行政が役割を果たしていくべきです。
 もちろん、厳しい財政状況の中で、予算の制約もあれば、採算のとれるエネルギー活用になるかどうかといった、多くの課題があることは認識いたしております。しかし、電力不足を経験し、クリーンエネルギーの開発に進んでいかねばならない今、これまで、京都市で検討され、実施されてきた政策メニューを上回る取組が必要であると思うのであります。加えて、京北につくられたペレット工場を有効活用する意味でも必要な政策であると考えます。
 今後あらたに京都市として、従来の熱利用の促進に加えて、京都市内で木質バイオマスによる発電に取組み、市内で使用される電力の一部を賄うということに、一歩を踏み出していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。市内の何千世帯かの年間電力消費量に相当する電力を、京都の山の恵みによって生み出す。このことは、環境への意識啓発、ライフスタイル転換の促進として、大きなインパクトを市民に与えるのではないかと思いますが、どう思われますか。「再生可能エネルギー特別措置法」が制定され、国の政策が大きく転換され、再生可能エネルギーというものに、日本全体が関心を持っている今この時だからこそ、山と森と社会そして人間の新しい関係を築いていくために、やらなければならないのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
 次に、本市の小中学校における学期制の改革に対して、その取組の成果と課題について質問いたします。
 学校の3学期制は、明治以降長くわが国の地域社会に根付いてきた教育制度でありました。その百数十年続いてきた三学期制を、前期と後期の2学期に分け、秋を区切りとする二学期制へ移行する改革が、本市においては、平成15年度から試行され、平成18年度からは全校で実施されるようになりました。
 さらに本年3月には規則改正で通年制の選択的導入が打ち出され、早速本年度からは、学期を区分しない「通年制」も一部の学校で導入されることになりました。小学校では、今年度はほぼ全ての学校が2学期制のままではありますが、中学校においては、73校のうち38校が「通年制」へと移行しています。
 このように本市の公立小中学校においては、早いペースで学期制の改革が進められています。しかしながら、従来の3学期制のどこに問題があったのか、その問題は、2学期制にあらためたことで解消されたのか、2学期制に移行したことで何がよくなったのか、そしてなぜ通年制を新たに導入することになったのか、それらが、しっかりと保護者や市民に説明され、理解されている状況にあるとは思えないのであります。京都の子供たちの教育の向上に、これまでの改革がどのように寄与したのか。それをしっかり説明し、保護者の不安や戸惑いを取り除き、理解と協力を得ていくことは教育委員会や学校の責務です。
 そこで、おうがかいいたします。2学期制へ完全移行した後の5年間で、どのような点が以前よりよくなったのでしょうか。そして、どのような部分で改善すべき点があったのか。新たに選択的導入された通年制では、どのような点が、2学期制より改善させることが期待されるのか。そして、どのような理念を持って、改革が進められていて、将来的には、京都の学校の学期はどのような形になっていくのか。それによって、子供たちの教育がどのようによくなっていくのか。お考えをお聞かせください。
 続いて、地域での高齢者の居場所づくりについて質問をいたします。私も地域で70代、80代の高齢の方から、この居場所づくりにぜひ取組んで欲しいという声をよくお聞きします。
 多くの高齢者の方は、あまり自分から積極的に出かけようとはしません。一日、誰とも話さない、そういう高齢の方も多くおられます。身体的には自立が可能であっても、閉じこもりがちになってしまう高齢者への対応は、地域福祉の課題になっています。
 私自身も、これまでずっと北区内の大学や、小学校で高齢の方と一緒に簡単な音読や計算をすることで、認知症を予防しようという活動に関わってきました。そうした場で、普段話す機会のない若者と話をする。そのようなきっかけをもつことで、参加されている高齢の方の表情が、毎週お会いするたびに明るく、そして口数が増えていく。何人ものそうした姿を見させていただきました。
 高齢者が喜びを持って日々生きることができるようにしていくためにも、認知症や身体機能の衰えを予防し、介護が必要な状態になることを防いでいくためにも、高齢者が、自分たちの身近な場所で外出し、人と話し、ふれあうことのできる場所を、もっともっと、たくさんつくっていかなければならないと考えております。
 これまでも、介護予防の教室や、社会福祉協議会の健康すこやか学級や、公園で体操など、いくつかの取組がされてきました。現在、検討がすすめられている第5期京都長寿すこやかプランにおいても、主な施策として高齢者の身近な居場所づくりの推進が盛り込まれる方向で、検討されているとお聞きしております。
 少しずつ取り組みは始まっている段階であると認識いたしておりますが、女性に比べて男性が圧倒的にそうした場に少ないことや、高齢者が幅広い年代の方と話す機会を十分にはつくれていないこと、決まった日の、決まった時間にしか、開けないことなどの課題があります。私は、誰かに会いたい、誰かと話したいと思ったときにいつでも行ける場所、常設型の場所が、増えていくことが必要だと考えておりますが、常設型で、地域の高齢者の方を迎えられる居場所づくりの必要性をどのように認識しておられますか。
 また、こうした居場所づくりにあっては、高齢者にサービスを提供する場、高齢者のための居場所という発想では不十分だと考えます。自分がしてもらうだけではない、世代を超えて人が集まり、高齢者の方もその一員として、自分も役割のある場をつくることが、生きがいにつながるのではないでしょうか。こうした居場所づくりこそ、市民が自ら行動して解決していくことができる身近な課題であります。市民の力を引き出し、それを行政がしっかりとサポートする。たとえば自分の持っている空き家を活用したい、カフェや食堂を改装して、居場所としての機能を持たせたい、そうした取組を支援し、高齢者の地域での居場所を発掘していくことに取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 最後に、要望を2点申し上げます。1点目は、東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理についてであります。市民の安心安全を守るため、もし国の要請によって本当に受け入れるということになった場合には、国が示す基準や検査方法だけにとらわれることなく、近畿の4政令市とも協調して、しっかりと検査し、汚染されているものを受け入れないということの徹底を、お願い申し上げます。
 2点目は、山間地での市民の足の確保であります。私の選挙区である北区の雲ヶ畑では、来春に京都バスが撤退する意向を示しています。この地域だけではありませんが、歩くまちを推進する京都市内にあっても、実際には自動車なしでは生活できない地域に住む住民は少なくありません。子どもや高齢者など、自動車の運転のできない住民が、生活の不便さから、そのような地域に「住み続けたいのに住めない」ということにならないよう、山間地の住民の足の確保のために、何らかの対策を講じていただきますよう、お願い申し上げます。
 以上、議員団を代表いたしまして、私からの質問といたします。
 ご清聴まことにありがとうございました。

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